ゲイの話

自分ってゲイかも?と思い始めた人へ伝えたいこと

「自分はもしかして同性愛者かも・・・?」と気づき始めたとき、多くの人は最初はそれをすんなり受け入れられないと思う。今回はそんな人に向けてあれこれと書くので、同性愛者だと自認したとき、「あー自分ってそうだったんだー」とさらりと受け入れられた方はスルーしてください笑。

tiad自身はガッツリ前者のほうで、受け入れるのにかなり時間が掛かったというか、なんならずっと考えないようにしていた節すらある感じでした。潜在的に同性愛者の要素が強い人はその傾向があると思うけど、tiad自身がそうだったように、蓋をしていても思春期あたりからどうしてもそれを意識せざるを得なくなると思うんだよね。

そんなとき、どうか思い詰めないで欲しい。絶望しないで欲しい。いや、絶望しても構わないから、また希望を取り戻してほしい。そんな風に思います。今回は、「自分は同性愛者かもしれない」と気づき始めたとき、そして受け入れる過程の中で不安に思うであろうことに対して、大丈夫だよという意味を込めて、ゲイだと認識し始めたあの頃の自分に伝えるつもりで綴ってみます。

世の中の当たり前を遂行できないことについて

同性愛者であると気付くと同時に、恐ろしく思うのがこの「世の中の当たり前を遂行できない」問題だと思う。ここでは「世の中の当たり前」とは具体的にどんな事柄ぞや?ってことを考えてみたいと思います。

本当に信頼できる友人関係を持てないこと

まずは友人関係。思春期ともなると話題は恋愛や性のことでもちきりになるよね。

こんなとき異性についての話を振られたときに、いまいちノレない自分や、時には嘘をついてしまって自己嫌悪に陥ってしまうことも多いはず。

実際にtiadも散々青春時代はそんなシーンに遭遇して、好きな異性のタイプを尋ねられたときの自分なりのテンプレ回答も用意していました笑。そういうときは、友人であるにも関わらず嘘をつき続けてしまっていることに罪悪感を覚えると同時に、本当に信頼できる友人関係に自ら傷を付けてしまっているんじゃないかと不安に思うこともありました。

だけどね、後々になって思うのは、ある意味それは仕方のないことなんだよね。

だって、その場で「実は自分はゲイです!」って言うわけにももちろんいかないし、どうやったって恋愛感情をもってみることができる好きな異性のタイプなんて出てこないからその場を取り繕うしかない。

嘘をついてしまうのも仕方ない、っていうと元も子もない話だけど、実際そうなんだよね。んで、実際に後々カミングアウトした身から言うと、同性愛者ゆえに、これまでの関係の中で「実は嘘をついていた」ことで、何かしら友人関係に傷がついたことは一度もない。

相手方も、それなら仕方ないよね、って認めてくれることが100%。それどころか、今まで気づかなくてごめん、苦しかったよね、と思いに寄り添ってくれる人がたくさん居て、それまで以上に仲良くなったりする。なので、今どうしても嘘をつかないといけない状況にある人も、あまり神経質にならないで良いと思う。

結婚して子供が持つ家庭を築くことができないこと

次は結婚と子供について。人生の一大ライフイベントである結婚と子供、すなわち家族を持つということ。

自分自身が同性愛者であることを認めてしまった瞬間、その先にある当然あるはずだった未来が断たれてしまうことに対して抵抗感を示す人は多いよね。

ただ、よくよく考えてみてほしいのが、ストレートの世界でも結婚しない人もいるし、子供を持たない人もいる。2020年代の今となっては未婚率も、子供を持たない人の率もどんどん上がってる。

現代の日本において、結婚して子供を持って、家族を築くっていうライフスタイルはもはやベーシックなものではなくなりつつあるんだよ。

だから0ベースで自分の幸せとはなんなのか、結婚や家庭を持つこと、と決めつけずにこれから少しづつ考えていこう。その上で、やっぱり自分にとっては結婚や家庭をもつことが大きな幸せになる!と思うことができれば、それを実行すれば良い。

道のりは決してストレートの人のようにはいかないかもしれないけど、tiadの友人にも実際にパートナーシップを結んでこの先の人生を共に歩むと誓いを立てた人が何人もいる。

親と孫の存在を共有できないこと

家族からの「結婚は?いい人居ないの?」「いつ孫の顔を見せてくれるの?」といった言葉を非常に重荷に感じるゲイはとても多いです。

家族でなくとも、正月や盆といったタイミングで帰省すると、普段特に親交が深くない親戚も、なんの遠慮もなくずけずけと聞いてくることも多々。

こういった台詞に苛立ちを覚えるのは、相手側が「男は女が好きなのは当たり前」「いい年になったら結婚して子供をつくるのが当たり前」といった前提を当然のものとしてこちらに強要するから、だと思うんだよね。

それはまるで暗に同性愛者を否定していることに感じしてしまう。そしてそれを当然のように期待されているにも関わらず、自分にはそういった未来がない(可能性が高い)ことを再度認識させられることにも本当に嫌気がさすよね。

ただし、これに関しては、そういう前提のもと生きている人間、として割り切って受け入れてしまうほうがラクです。家族の期待に応えてあげたい、がっかりさせたくない、という気持ちもわかりますが、家族といえども自分とは違う人間。考え方が違うのもある意味当然で、わかり合えないことだってお互いにあるはず。

相手を変えることはできません。変わらない相手を受け入れることで、自分も受け入れてあげましょう。

ゲイである自分を受け入れてくれない家族を受け入れよう家族や親が自分がゲイであることを受け入れてくれない場合の対処法についてじっくり考えてみた。重要なのは、そんな家族や親をもまるごと受け入れてしまうということ。家族や親が受け入れられないのはあなたの全てではなく、あくまでもセクシャリティの部分。あなたにも家族や親に対してどうしても受け入れられない部分はあるはず。人は滅多なことじゃ変わらない。だからこそ、相手を変えようとか、説得しようとかせずにそのまま受け入れてしまおう。それが一つのあなたの成長でもある。...

ゲイの世界ってこんなにも楽しいよ!

ここまでは、同性愛、とくにゲイだと自覚したときに心配されるネガティブな事柄について触れてきましたが、明るい面についても光を当ててみましょう!

tiad自身、「ああ、ゲイで良かったなー」と思うことは多々あります。これは綺麗事じゃなくて、本当です。ゲイかも?と思い始めた方にはぜひそんな良い面も知っておいて欲しいし、それを味わい尽くして欲しいです。

地位や年代に関係なく知り合える

まずはこれです。出会うのがなかなか難しいと思われがちなゲイですが、実は悪い面ばかりではありません。

というのも、現実的には隔絶されがちな世界なので、同じ同性愛者だ、というだけでお互いの距離感は一気に近くなるものです。

出会いの場は様々で、アプリやゲイバー、イベント、TwitterやInstagramなどのSNSとそのフィールドは多岐に渡ります。そこで出会う人たちは、ほとんどが大元は自身がゲイであるという接点から始まります。なので、社会的な地位とか年代とか、ストレートの世界と比べてあまり関係がありません。ある意味フラットなのです。

だからこそ、ストレートの世界にいては出会えないような人たちの話を聞く機会が増えたり、自分より随分年上の人ともフランクに会話ができたりと、交友の場が広がりやすいのです。

遠方の人とも交友関係を持ちやすい

ゲイになると、基本的にはゆかりのない地に行ってもあまり寂しい思いをすることはありません。

旅行でもそうですし、転勤や就学、就職といったタイミングでも、よっぽど地方でもない限り、必ず同じゲイというセクシュアリティを持った人がいます。以前に信号機がほとんど無いような離島に行ったことがありましたが、そこにもちゃんとゲイはいました。

最近はストレートの世界でも随分マッチングアプリが浸透しているので、ネットを通じて実際に他人と会うハードルは大きく下がっていますが、ゲイの世界ではより一層この傾向が強く、かつ見知らぬ人と出会うことによく慣れています。

SNS等で普段から会ったこともない遠方の人ともやりとりすることが全く珍しくなく、旅行で赴いたときは、実際に会って地元の人しかしらないようなグルメや観光地を一緒に巡る、なんてこともできちゃいます。

ゲイの世界は確かにストレートの世界よりも小さく、狭いです。でも、だからこそ、繋がりやすいというメリットがあるのです。

恋愛もちゃんと楽しめる

これはゲイだからこそ、というわけではないですが、ゲイでもきちんと恋愛を楽しむことができるよ、ってことです。

ゲイにも色んなタイプの人がいて、体だけ男性が好みの人もいれば、真面目に恋愛したいタイプの人もいます。なので、自分自身がその気になればちゃんと恋愛を楽しむことだってできます。

さらに言うと、それをストレートの人たちと同じように、彼らと恋愛について話したり、相談したりもできます。tiadは高校や大学時代の友人にはカミングアウトを済ませていますが、ノンケの友達も普通に「最近どう?」みたいな感じで(もちろん相手は男であるという前提)聞いてきたりします。まぁ正直これはtiadが思春期の頃にできなかったことなので、カミングアウトしてからは、いわゆる恋愛話ができることがすごく楽しいです。

もちろん相手がノンケじゃなくとも、ゲイ同士でそういう話になることもあるし、ちゃんとゲイでも恋愛を味わうことができますよ、ってことです。

まとめ

いかがでしたか?

今回は改めて「自分ってゲイかも・・・?」って思い始めた頃のことを思い出しながらあれやこれや綴ってみました。

あの頃の自分のようなモヤモヤや不安を抱えている人にとって、少しでも気持ちが軽くなるきっかけになれば何よりです。

Twitterもやってるのでなにか遠慮なくあれば相談してね〜!

tiadでした〜。